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不動産売買仲介業における営業DXとは?DX推進のためのポイントを解説!

不動産売買仲介業における営業DXとは?DX推進のためのポイントを解説!

不動産売買仲介業における営業業務と言えば、「足」「勘」「経験」による飛び込み営業やDM、テレアポなどを思い起こされる方も多いことと思います。

しかし、人口減少が今後本格化すると見られる中、従来型の非効率な営業活動では事業の成長戦略が描けないと考える不動産会社が増加しており、新しい営業活動のあり方を模索する動きが見られます。

近年では、そういった課題に対し、ITを積極的に導入することで解決する取り組み(DX「デジタル・トランスフォーメーション」)が盛んになっており、不動産業界においても業務効率化や顧客満足度の向上などを実現している事例が増えつつあります。

そこで、この記事では不動産売買仲介業における営業活動のDXについてご紹介したいと思います。DXが必要な理由、導入のメリットや事例などについて解説していますので、貴社でのDX推進のご参考にしていただければと思います。

不動産売買仲介業におけるDXの課題

不動産売買仲介業における各種業務は、旧来からの紙・手作業などのアナログ運用が多いため、デジタル化のスピードが遅く、生産性向上の障害となっています。

一方、消費者は日常的にスマートフォンを駆使し、インターネット上で購買行動を完結させることが日常化しており、事業者が提供するデジタルなユーザー体験に対するシビアな目を備えるようになりました。

そのため、アナログで非効率なサービスを提供することによる満足度の低下が、ひいてはDXを推進する競合他社との競争優位性の低下につながり、自社のビジネスにおける機会損失につながるといったことがリスクとして顕在化してきています。

営業DXとは?

営業活動のDXと言うと、紙で行っていた日報などのアナログ業務をスプレッドシートなどに置き換えることを連想されるかもしれません。

しかし実際は、自社の営業活動や顧客の購買行動を把握し、これまで属人化しがちだった営業活動を平準化することで収益性の向上を目指す取り組みを指します。

CRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)、MA(Marketing Automation)などのシステム・ツールを活用し、営業活動およびそのプロセスを顧客のインサイトに沿って最適化していくことがポイントとなります。

営業DX化が必要な背景

情報化が進む近年において、顧客の購買行動の多様化が加速しています。そこにコロナ禍が直撃したことで、不動産売買仲介事業の営業業務を取り巻く環境が様変わりしました。従来の営業電話や訪問商談が通用しないケースが今後ますます増加すると考えられます。

「足」「勘」「経験」による営業活動では生産性を高められないだけでなく、顧客との接点が持てないという事態にもなりかねません。

顧客データからニーズを見極め、いつ・どのような場合にニーズが顕在化するのかを把握し、最適なタイミングで提案・クロージングを行うという「顧客起点」の営業活動が求められており、それらをDXで実現しようと取り組む企業が増加しています。

AI(機械学習)とビッグデータ技術の進展

顧客データなどの膨大なデータは「ビッグデータ」と呼ばれますが、こういったビッグデータの収集・分析は、AI(機械学習)の技術的な発展により、これまでよりも容易に実現することが可能になりました。

2000年代の中盤以降、スマートフォンの急速な普及によってデータの収集が容易になったことで、それらの可視化および解析法に関する研究が進み、AI(機械学習)に関連する技術の目覚ましい進歩が実現しました。

AI(機械学習)とは、ビッグデータから法則性を発見してモデル化する手法のことを言います。不動産業界では取引価格の予想や物件画像の処理などで活用されるなど、さまざまなシーンで利用が広がっています。

コロナ禍による住まい探しニーズの変化

AI(機械学習)技術の進歩に加えて、コロナ禍による住まい探しニーズの変化が営業DX推進の重要性をさらに高めました。

感染症対策として「非対面」が求められるようになり、ZOOMでの接客、VR内見、電子契約など、問い合わせから契約に至るすべてをオンラインで完結できるサービスの利用が広がっています。

加えて、宅建業法の改正による不動産契約の電子化解禁なども後押しし、DXの推進によるオンラインサービスの充実度が不動産会社を選ぶ決め手となる時代が着々と近付いてきています。

不動産売買仲介事業で営業DXを推進するメリットとは?

不動産売買仲介のさまざまな営業業務におけるDXが、喫緊に取り組むべき課題であることはご理解いただけたかと思います。

次に、不動産売買仲介業務でDXを推進するメリットについて考えてみたいと思います。

1.業務効率化

不動産売買仲介業務においても異業種同様、DXを推進することで業務効率化を図れることは言うまでもありません。

例えば、顧客管理システムの導入によって、問い合わせから契約までの顧客データを一元管理できるようになれば、ネットに接続できる環境さえあればいつでもどこでも情報にアクセスすることが可能となり、営業担当者の在宅勤務のハードルを下げることができます。

また、営業業務はとかくベテラン社員の経験と勘に頼りがちですが、DXによって業務内容を定量的に見える化することで、経験の少ない若手社員の研修期間・戦力化までの期間を短縮する効果も期待できるでしょう。

2.人手不足解消

上述した通り、不動産売買仲介業の営業担当者であっても在宅勤務などの可能性が広がるDXを導入すれば、従業員のワークライフバランスが改善され、離職率の低下に加えて、採用面でも良い効果が期待できます。

育児や介護との両立、遠隔地居住による通勤の長時間化などがネックになっていた場合であっても、テレワークを活用した在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務によって負担を軽減できるケースなども考えられます。

また、DXによって各社員の業務内容が集積されることで、マネジメント面における部下の評価・改善といった業務負荷を軽減することが期待できるため、管理職の離職回避という意味でもメリットは大きいと言えるでしょう。

3.顧客満足度の向上

接客や内見など、営業業務における顧客接点のDXを進めることで、顧客満足度の向上が期待できます。

コロナ禍の影響で、ZOOMでの接客、VR内見、電子契約など、問い合わせから契約に至るまですべてオンラインで完結できるサービスのニーズが一気に高まったことは前述した通りです。

顧客それぞれの事情に合う多様なサービス展開を実現し、問い合わせから契約に至るまでの時間・コスト負担を軽減することで、利用者の満足度を高めることで競合他社との差異化が図れます。

顧客満足度の向上により、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客からの紹介の増加も期待できるでしょう。

4.古いシステムからの脱却

DXによって既存のアナログ営業を脱することで、新たなビジネスチャンスを生み出すことも可能となります。

例えば、VRを活用したオンライン内見、電子契約などを利用すれば、商圏外(遠隔地)の見込み客であっても成約させることが可能になるでしょう。

また、既存の商圏においても、AI(機械学習)やビッグデータの活用による営業活動の見直し・改善によって、とりこぼしを防止するだけでなく、新たなビジネスチャンスの発掘も期待できます。

不動産営業(セールス)のDX~デジタル営業ツールのご紹介

以下のツールが不動産業界において営業DX化でよく用いられているものです。

反響

・ラクテック反響倍増くん

「ラクテック自動入力 一括物出し」は、物件情報の物出し・選定・入力を自動で行うシステムです。商圏の新着物件一覧を自動表示し、コンバートシステムへ自動入力します。・入力速いもん

会社間流通サイトや仲介業者専用サイトの物件詳細データの保存、物件入力画面での入力を1クリックで行える物件入力の自動化ツール。h3:営業管理・対応

・MiiTel(ミーテル)

電話営業や顧客対応の内容をAIがリアルタイムで解析し、成約率の向上、解約率や教育コストの低下などを可能にする音声解析AI搭載型のクラウドIP電話

・Salseforce(セールスフォース)

マーケティング、営業、コマース、サービスといった各部署と、顧客一人ひとりの情報を一元的な共有を可能にするクラウド型統合CRMプラットフォーム。

追客

PropoClould

顧客の希望条件に合う物件情報、売却に関連するコンテンツなどを自動でメール送信することで追客管理を行う不動産仲介会社向け営業支援システム。

内見

・Spacely

撮影した360度パノラマ写真や動画をクラウドにアップロードするだけで、高品質なVRコンテンツを制作・編集・管理することができるクラウドサービス。

査定

・HowMa

AIを活用した不動産査定システム。インターネット上の簡単な入力操作で戸建てやマンションの価格査定を行うことが可能。

・SRE AI査定CLOUD

AIを活用した不動産査定書作成サービス。地図表示や類似事例などを記載した本格的な査定書を自動化することで、査定業務の省力・省時間化が実現可能。

・Gate

人工知能(AI)を活用し、2億件を超える不動産ビックデータの分析から投資不動産の将来収益予測を行うサービス。将来における空室リスクや家賃下落のほか、物件の価格査定などにも対応。

成約

・RELEASE

不動産売買特化型の電子契約・契約書管理サービス。不動産売買における一連の取引フロー(物件登録から引き渡し)における契約手続きでの利用が可能。

・Musubell for 仲介

不動産売買仲介契約の電子化、および契約から取引完了までのステータスをオンライン管理することで、電子契約による不動産販売業務全体の効率化を実現する電子契約一元管理サービス。

・CLOUDSIGN

ウェブ完結型の契約締結クラウドアプリケーション。 契約締結はもとより、契約書の保管・管理に加えて、発注書・納品書・ 請求書・領収書など、さまざまなシーンで活用することができる

DXが進まない理由は?

ここまで、不動産売買仲介業務の営業活動におけるDX推進のさまざまなメリットをご紹介しましたが、実際のところ不動産業界のDXは他の業種に比べて進んでいません。

ここでは、不動産売買仲介業務における営業活動のDXが進まない理由について考えてみたいと思います。

不動産業界特有の商習慣

今まで不動産業界でDXが進まなかった理由は、不動産業界特有の商習慣に依るところが大きいと言われています。

紙やハンコ、FAXといった従来型のアナログ運用が長年定着しており、ここ数年はペーパーレスや印鑑廃止などが世間を賑わすようになっても不動産契約は大量の書類に押印が必要な状況が続いています。

電子契約の解禁などで、一部の不動産会社はこれをチャンスと捉えて積極的にDXを推進しているケースもありますが、業界の大半を占める中小の不動産会社で導入が進んでいないのは、こういった背景も要因の一つにあると考えられます。

DX導入にかかる膨大なコスト

DXを進めていくためには、時間と労力の膨大なコストがかかるため、自部署だけでなく、関連する各部署から経営層に至るまで、全社でその意義・目的を共有し、一丸となって取り組むことが欠かせません。

例えば、DXの目的を経営層はコストカット、営業現場では働き方改革の実現に設定していても、現場がコストカットの意識を共有せずに生活残業をしていれば、結果としてどちらも実現しないといったことに陥ってしまいます。

とりわけ経営層においては、短期的な売上を重視せざるを得ないという方も多いと思いますので、無料トライアル期間なども上手に活用と併せて、費用対効果の考え方を事前に明確にしておく必要があります。

社内で合意形成を図り、DXの進め方や導入後のゴールイメージなどをしっかりと共有することで、経営者・現場のそれぞれが納得して協力する体制を構築することが重要です。

異業種に比べて低い傾向にあるITリテラシー

不動産業界ではアナログ業務が状態化しているため、異業種に比べて現場のITリテラシーが低い傾向にあり、新たなシステムやツールの導入にあたって、進め方や利用の仕方が分からず進捗が停滞し、最終的に頓挫してしまうといったケースが散見されます。

利用者のリテラシーに適したツール・システムを検討・導入することはもとより、研修・セミナーなどを通じて営業現場のITリテラシーを高めていくような仕組み作りも必要になるでしょう。

不動産業界におけるDXの成功事例とは?

異業種に比べてDXの成功事例が少ない不動産業界ではありますが、いくつかの先進的な不動産会社によってDXの成功事例が蓄積されつつあります。

ここでは、不動産業務における課題をDXによって克服し、さらなる成長を実現した2社の事例をご紹介したいと思います。

大成有楽不動産販売(株)の事例

一都三県に拠点を構える大成有楽不動産販売株式会社。大成建設株式会社のグループ企業としてマンション・戸建て・土地などの仲介、資産運用サポートなどをトータルに手掛けています。

集客が好調な同社において、店舗によっては月に200件を超えるお問い合わせに対応しなければならず、リソースが限られる中でお客様一人ひとりに十分な対応をしきれていないという課題を抱えていました。

同社ではそんな課題を克服するために首都圏エリア全店で「プロポクラウド」を導入。従前の営業全員でレインズの物件データを検索し、顧客にメール・郵送で送るという運用を廃止し、お客様が求める情報をタイムリーに提供することを実現しました。

お客様の評価も上場で、新規のお客さまだけでなく、既存のお客さまからのリターンも増えるなどの効果を実感しているそうです。

大成有楽不動産販売(株)の事例の詳細はこちら

株式会社コスモスイニシアの事例

首都圏・関西圏を中心にマンションや戸建て住宅の開発・販売などを手掛ける株式会社コスモスイニシア。

同社は競合他社に先駆けて営業ツールの導入・活用を推進しており、顧客満足度の向上・働き方の多様化などを実現してきました。

接客ではZoomやFacetime、顧客管理では「スペースリー」や「ぶっかくん」、営業支援ツール「プロポクラウド」などもその一環です。、中でも「プロポクラウド」は、メールでの自動追客を有効活用し、長期フォローが必要なお客様などに対するアプローチなどの業務効率化を実現しています。

同社が配信する追客メールの開封率は5~6割と高い水準を維持しており、そのうちの約半数がレポートや物件の閲覧といった行動を起こしているそうです。

社員一人ひとりに裁量権が与えられ、新しいサービスの創造やDXに関連した企画の提案などが活発に行われている環境が、ツールの活用や浸透にもプラスに働いているようです。

株式会社コスモスイニシアの事例の詳細はこちら

まとめ

今回は、不動産売買仲介業の営業活用におけるDXのポイントについて解説しました。

消費者ニーズの変化、働き方改革、コロナ禍など、不動産業界を取り巻く環境は大きく変化しつつあり、その中で業務効率化や顧客満足度の向上などを実現するためには、営業DXを推進していくことが欠かせないことがお分かりいただけたかと思います。

この記事を参考にしていただき、貴社の業務課題とは何か?営業DXによってどのように解決するか?どういったツールが最適か?といった観点から営業DXの導入・推進をぜひ、ご検討ください。